千と千尋の電車シーン考察!人が透けている謎と千尋が電車に乗る理由

電車に乗っている人たちはなぜ透けているのか?

そのことについて考えてみました。


今回もスタジオジブリ宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠しに』について書いていきます。

これまで書いてきた『千と千尋の神隠し』の記事は以下からどうぞ。
⇓    ⇓    ⇓
『ジブリ総選挙で1位獲得!興行収入1位の千と千尋の神隠しまとめ』

出典元:楽天市場「ENS-300-223 千と千尋の神隠し さよなら油屋 300ピース

『千と千尋の神隠し』は主人公千尋が八百万の神々の世界に迷い込み、そこで様々な困難を乗り越え大きく成長し、最後には無事に元の世界へと戻っていくというストーリーです。

最初は右も左も分からない千尋。

たどたどしいながらも一生懸命頑張っていき、そして驚くほどのスピードで彼女は成長していきます。

彼女の成長とともにストーリーは進んでいき、話がどんどん盛り上がっていきます。

クライマックスに向けての盛り上がりは目が離せません。

そんな後半への盛り上がりに向けて、千尋は電車に乗って銭婆の元へ向かいます。

千尋の大切に思うハクのためです。

千尋が乗る電車は海原電鉄という会社の電車です。

現実からかけ離れた世界で、いかにも現実的な普通の電車。

そのギャップが、なんとも言えない不思議な気分にさせられるということは前回の記事でも書きました。

しかし、ぱっと見が普通でも、この電車には多くの謎があります。

どこから来てどこまで向かうのか?

なぜ行きがあるのに帰りの電車が存在しないのか?

そもそも、この電車いつから走ってるんだ?

・・・などなどですね。

まさにこの電車は『千と千尋』の物語のクライマックスに向けて相応しい存在といえます。

その謎の中でも特に僕が気になるのが、『海原電鉄に乗っている乗客はなぜ透けているのか?」ということです。

今回は、その透けている乗客についての僕の考えや、千尋が電車に乗る意味についても書いていきたいと思います。

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海原電鉄の乗客が透けているのは、カオナシのような存在だからか?

海原電鉄の透けている乗客たち。

身体だけでなく服や帽子、荷物までもが真っ黒です。

出典元:楽天市場「ジグソーパズル108ピース 千と千尋の神隠し 海原鉄道

そして真っ黒なだけでなく透けています。

一言も喋りませんし、表情も分かりません。

ですから何を考えているのかも全然分かりません。

彼らは何なのでしょうか?

まるで魂が抜けてしまったかのようで、意思があるのかないのかすらも分かりません

油屋では人間が誰一人いない場所ですが、この電車の中の人は油屋の従業員を遥かに超えるほどの不気味さを持っています。

いったい彼らは何者で、そして何の目的で電車に乗っているの・・・・?

疑問は尽きません。

さて、早速ですがこの透けている乗客について僕の率直な意見を書いてみます。

僕は、この乗客たちは『カオナシ』みたいな存在だと思っています。

そう感じたきっかけは、乗客の身体とカオナシの身体の透け方が似ているように感じたからです。

なので、この乗客たちはカオナシと同じような存在なのだと僕は解釈しています。

カオナシの設定は油屋の世界とは別の世界からやって来た存在とのことです。

そして、実態がなく、自分に対して『自信』がない、そして自分の言葉ではしゃべれない、、、。これがカオナシです

そのことについては、以下の記事で詳しく書いています。
⇓    ⇓    ⇓
『千尋ストーカーのカオナシは日本人の性質そのもの!千と千尋の神隠し』

海原電鉄の乗客もカオナシと同じように自分に自信がなくて、自分自身を見失っているのではないかと思います。

カオナシや乗客たちの身体が透けているのは、自分への自信の無さの表れだと僕は思います。

自分に自信がない、だから実態がなくて透けているのです。

だから黒いのです。

出典元:楽天市場「千と千尋の神隠し カオナシ 風 衣装セット

本当は人と関わりたいけど、自分をさらけ出すのが怖い。・・・・・

他人からは理解されにくい存在となり、本人もそれを自覚しているのでしょう。

その結果、特に目的もないままさまよう存在となったのです。

カオナシも最初はさまよっていたわけです。

だから、きっとこの電車の乗客たちもさまよっているのだろうと僕は解釈しています。

カオナシは別の世界からやって来たわけですが、この透けてる乗客たちも様々な世界をさまよっているのかもしれません。

さまよい続けながら、自分の居場所を探し電車に乗り、良さそうだなと思った駅で降りていく。

降りた先でも居場所が見つけられなかったら、また電車に乗る。

きっとそれを繰り返しているのでしょう。

カオナシについては以下の記事で書いていますので、良かったら御覧ください。
⇓    ⇓    ⇓
『千尋ストーカーのカオナシは日本人の性質そのもの!千と千尋の神隠し』

『千と千尋の神隠しのカオナシは千尋の代わりにジブリの救世主となる!』

以上が電車の中の透けている人に対する僕の考えです。

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なぜ『千と千尋の神隠し』では、千尋は電車に乗ったのか?

ところで、『千と千尋の神隠し』の制作にあたって、宮崎監督は千尋に実現させたかったことがありました。

それは千尋を電車に乗せることだったのです。

宮崎監督は次のように述べています。

───後半部分で千尋が、ハクと一緒に空を飛ぶというシーンが久しぶりに見られて、宮崎ファンタジーの真骨頂だと思ったんですが、その部分はストーリー作りの最初のうちからあったのですか?(中略)。

宮崎(中略)空を飛ぶか飛ばないかっていうのは考えてませんでした。ただ、電車に乗るとは勝手に思っていましたから。電車に乗るんだと言い続けていたので、乗れたときは嬉しかったですね。木陰にずうっと電車の音が聞こえるだの、電車が走っているショットを積み重ねていったんですけど、僕の今までの経緯だと、そうやったら普通にただ電車が風景だったってことで、終わることもあるもんですからね。千尋が電車に乗れたっていうのはよかった、空飛ぶよりも電車に乗れたことの方がよかったと思います。ほんとはもう少しシーンを付け加えたかったんですけども、映画の構成上どうしても入れられなくて、(後略)

出典元:宮崎駿『折り返し点 1997〜2008』岩波書店より

宮崎監督は『千尋が電車に乗るんだ』と言い続けていたとのことなのです。

なぜ、宮崎監督は千尋に電車に乗ってもらいたかったのでしょう。

それについて僕は次のように考えました。

千と千尋の電車は、あの黒い影のような人々が存在する場所です。

僕はあの影の人達を『自分に自信がなくて、それゆえに透けている』と解釈しています。

実は千尋も最初は同じでした。

自分に自信が持てず、どうして良いかわからない、そんな状態だったのです。

千尋はこれまでの宮崎アニメのヒロインたちとは違います。

これまでの宮崎アニメのヒロインたちは特別な能力を持っていたり、気の強い性格で前向きな女の子がほとんどでした。

(宮崎アニメのヒロインたちについては『スタジオジブリ宮崎駿アニメ作品のヒロインまとめ』の記事でまとめています。)

でも千尋は彼女たちと違い、特に何か能力があるわけでない、ごく普通の女の子です。

出典元:楽天市場「ハクの塩むすび (千と千尋の神隠し) ミニパズル(10×14.7cm)

ですから、突然見知らぬ世界に来てしまったわけですから、『自分に自信が持てず、どうして良いかわからない』という状態になるのは当然です。

宮崎監督は『普通の女の子が成長していく』物語を作りたかったと言っています。

その理由については以下の記事で書いています。
⇓    ⇓    ⇓
『宮崎駿が千尋を美少女に描かなかったのはなぜ?千と千尋の神隠し考察』

千尋は確かに普通の女の子でしたが、現実では経験できないような様々なことを油屋で経験することによって、見違えるように成長していきました。

そんな千尋にとって油屋は彼女の居場所となっていったのです。

しかし千尋はその居場所を離れることを決意します。それも自分の意志でです。

千尋は大怪我を負ったハクのために、危険を顧みずに銭婆のところへ行くのです。

ハクは千尋にとって大切な存在です。

なぜなら、千尋とハクは魂レベルの強い絆があるからです。

その事については、以下の記事で書いています。
⇓    ⇓    ⇓
『ハクと千尋は恋の関係!別れたその後に出会いはある?千と千尋の考察』

そのために千尋は電車に乗ります。

千尋は初めて油屋から外へ出たのです。

油屋から出た千尋は、油屋から自立したのです。

電車の中には、影のような人々がいます。

彼らは過去の千尋です。

千尋の心の奥底には『自信のない過去の自分』も潜んでいたことでしょう。

彼らに影響され、千尋は昔の自分に戻ってしまう可能性もあるでしょう。

もしそうなってしまったら、きっと降りる駅が分からなくなり、永久にさまよい続ける事となったかもしれません。

『千尋は彼らに影響されることなく、銭婆の所まで行けるかどうか』、、、これが宮崎監督が千尋に与えた最後の試練だったのではないかと僕は思います。

千尋は無事に銭婆の元へたどり着いたわけです。

ですから千尋はほんとうの意味での大きな成長が出来たのです。

ラスト、ハクとともに千尋は空を飛びます。

出典元:楽天市場「ENS-300-298 千と千尋の神隠し 本当の名前 300ピース

空を飛んだことで、成長した千尋は非常に重要な事を思い出すのです。

そのシーンのセリフを引用します。

ハク、聞いて。
お母さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、私、小さいとき川に落ちたことがあるの。

その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって。

でも、今思い出したの。その川の名は、その川はね、琥珀川。

あなたの本当の名は、琥珀川。

出典元:宮崎駿監督「千と千尋の神隠し」スタジオジブリより

この言葉によってハクは忘れていた自分の本当の名前『ニギハヤミコハクヌシ』を思い出し、龍の姿から人間の姿になります。
(このシーンは僕が究極的に好きな場面です。)

千尋はハクを湯婆婆の支配下から救い出すことが出来たのです。

最初の頃はトロかったあの千尋が、他者を救い出すほどにまで成長したのです。

こんな感動的な事があるでしょうか?

ちなみにこの感動的なシーンについては以下の記事でも書いていますので、よかったらご覧ください。
⇓    ⇓    ⇓
『千と千尋のハクの名前の秘密!本名ニギハヤミコハクヌシの由来は?』

千尋をここまで成長させるためには宮崎監督の中で、どうしても千尋は電車に乗る必要があったのだと僕は感じています。

千尋にとっての電車は、ある種の通過儀礼だったのです。

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千尋に関しては以下の記事で書いていますので、良かったら御覧ください。
⇓    ⇓    ⇓
『宮崎駿が千尋を美少女に描かなかったのはなぜ?千と千尋の神隠し考察』

『正体は龍で琥珀川のハクへのセリフから分かる千尋の性格、それは?』

海原電鉄のモデル

さて、海原電鉄についてもう少し書いていこうと思います。

海原電鉄の電車は、芋虫のような独特なちょっと可愛らしい格好をしています。



出典元:楽天市場「1/150 千と千尋の神隠し 銭婆の家と海原電鉄 MK07-07

この電車のモデルになったと言われているのは名古屋鉄道と言われています。

ぱっと見の感じは似ていると思います。

出典元:楽天市場「MICROACEマイクロエースA1055名鉄3400系スカーレット 改良品4両セット

しかし、名古屋鉄道が海原電鉄のモデルであると言われる所以は電車のぱっと見だけではありません。

千と千尋の海原電鉄はその名の通り水上を走っていますが、なんと名鉄も水上を電車が走っていた時期がありました。

普通水の上を電車が走るなんてことはありえません。

なので、間違いなく、このこの水上を走る鉄道のアイディアは、この名鉄から得たのではないかと思うのです。

そもそもなぜ名古屋鉄道は電車を水上に走らせていたのか?

これについては、次回書いていきます。

続きはこちらです


『千と千尋の神隠し』の他の記事は以下から御覧ください。
⇓    ⇓    ⇓
『ジブリ総選挙で1位獲得!興行収入1位の千と千尋の神隠しまとめ』

他のスタジオジブリ作品については以下のバナーからどうぞ。

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