ドラえもん 天の川鉄道の車掌と新美南作品に登場の巳之助との比較!

前回の記事ではドラえもんの天の川鉄道とブルートレインについて書いてきました。
前回の記事はこちら

天の川鉄道、ブルートレインどちらも廃止になってしまったという点で共通しているということでしたね。

天の川鉄道はどこでもドアによって、ブルートレインは新幹線や飛行機によって人々に利用されなくなってしまったわけです。

ある時に輝かしく活躍していたものも、時代の流れには逆らえないということなのでしょう。
ドラえもんの『天の川鉄道の夜』のストーリーでは、時代の流れの中で人々の記憶から忘れ去られていく存在について考えさせられる話だと思います。

さて、作中では天の川鉄道の車掌が「あれが出来たから・・・・」「あれのせいで・・・・」という感じの発言をしています。

『あれ』とは、どこでもドアのことですが、どこでもドアに対して憎しみの感情が現れているようにも思えます。
この車掌の様子を見て僕は新美南吉さんの児童文学『おぢいさんのランプ』に登場する巳之助と心境と近いものを感じました。

今回は新美南吉さんの『おぢいさんのランプ』について書いていきます。

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ランプに感動する巳之助

さて、『おぢいさんのランプ』とはどんな話なのか、ごく簡単にあらすじを紹介いたします。

明治時代の後半、岩滑新田の村に巳之助という少年が住んでいました。

巳之助は仕事で町まで行った時に生まれて初めて石油ランプというものを知ることになります。

当時の巳之助の村には灯りはありませんから、初めて見るその灯りに巳之助は物凄く感動します。

「こんな明るいものは見たことがない!!自分はランプ売りになってこの灯りを世に広めるんだ!」
と、このように思い、巳之助はランプ売りになることを目標にして生きていきます。

努力のかいあって、巳之助はランプ売りとして成功し、自分が売っているランプで今まで暗かった家々を明るくできていることに大きな誇りを持っていました。

しかし、時代が進むにつれ雲行きが怪しくなります。

時代は電気へと変わる・・・

ある時巳之助は、「今度、新しく電気が出来る」という話を耳にします。

巳之助は「電気なんてもんにランプが負けるわけない!」と、電気の事には全く興味を持ちませんでした。

ところが、そのうち巳之助は電気の明かりを目の前で見る事になります。

石油ランプの芯を仕入れに町に行ったときでした。

知り合いの甘酒屋に立ち寄った巳之助でしたが、いつも土間にぶら下げているランプがありません。

かわりに見慣れないものがぶら下がっていました。

それが白熱電球だと知った巳之助は「ヘンテコリンなものだ」と馬鹿にしていましたが、夜になり、自分が馬鹿にしていた白熱電球が点灯した途端に巳之助はその明るさにビックリします。

驚きのあまり声も出せなくなりました。

巳之助が売っていた石油ランプなど比較にならないくらいの明かりを白熱電球が発していたからです。

追い討ちをかけるかのように甘酒屋は巳之助に
「ランプじゃ電球にはかなわないよ」
と言いました。

その時の巳之助は、敵でも睨むように白熱電球を見つめていました。

そして肩を震わせながら悔しがりました。

その後、時代は石油ランプから白熱電球へと変わっていき、誰もランプを使わなくなったのでした。

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時代の変化で忘れさられる気持ち

以上が、『おじいさんのランプ』の簡単なあらすじです。

かなりはしょって書いています。

まだまだ話の続きがありますので、もし気になる方は『おじいさんのランプ』を読んでみてください。

さて、この物語に出てくる巳之助は子供の頃見た石油ランプに感激しランプ売りになったわけですが、新しく出来た電気によってそのプライドがズタズタにされてしまうわけです。

初めて電気を見た時に敵でも睨み肩を震わせるくらい悔しかったのです。
ぼくはこの巳之助の心境とドラえもんの天の川鉄道の車掌の心境はかなり近いと思うのです。

「あれのせいで誰もSLに乗らなくなった。」
「あれのせいでもう列車は廃止になる。」
このような発言を車掌はのび太達にしているわけです。

僕は思うのです。

きっと天の川鉄道の車掌も巳之助のように誇りを持って業務に携わっていたのだと。

多くの人のために日々列車を走らす事に喜びを感じていたのだと思います。

しかし、あれ=どこでもドアが開発されたことにより、誰も自分の列車には見向きもしなくなったわけです。

この状況は、ほとんど電気のせいでランプが使われなくなってしまったのと同じだと思います。

自分が信念を持ってやってきたものが、新しく作られたものによって覆される。

これはどんな気持ちなのか、その人の立場にならないとほんとうの意味で理解できないことかもしれません。

映画版ドラえもん『銀河超特急』との関係?

さて、数記事にわたってドラえもんの『天の川鉄道の夜』について書いてきました。

実はこの話を原案として作られた映画版のドラえもんがあります。

『ドラえもん のび太と銀河超特急』がそうです。
『天の川鉄道の夜』に比べ、夢のあるワクワクした雰囲気でストーリーが始まります。

最初だけ見ると、『天の川鉄道の夜』よりも明るい話ではないか?本当に原案か?・・・と思うかもしれません。

でも『ドラえもん のび太と銀河超特急』では、ストーリーが進むにつれ、段々と負の面も垣間見えてくる所に『天の川鉄道の夜』的な怖い雰囲気が出ていると僕は思います。

続きます。

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