ハウルの動く城のソフィーの性格!なぜ呪いを受けても元気なのか?

さて、今回もスタジオジブリ宮崎駿作品の『ハウルの動く城』について書いていきたいと思います。

これまで書いていきた『ハウル』の記事は以下からどうぞ。
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スタジオジブリ宮崎駿作品『ハウルの動く城』まとめ

宮崎アニメは基本的に女性が主人公の場合が多いです。

それも殆どが少女です。

10代ばかりです。

なぜ宮崎監督は少女ばかりにこだわるのかについても考えたいところですが、それはまた別の機会にします。

『ハウルの動く城』の主人公のソフィーの年齢は18歳。

これまでの宮崎アニメのヒロインの中ではけっこう年上の部類です。

例えば『千と千尋の神隠し』の千尋は10歳ですし、『魔女の宅急便』のキキは13歳、『となりのトトロ』のサツキは12歳です。

『もののけ姫』のサンはかなり大人っぽく見えるものの15歳です。(さすがにサンの年齢は信じられませんが・・)

宮崎アニメの大半の少女達は10代前半です。

10代後半は『風の谷のナウシカ』のナウシカ(16歳)、フィオ(17歳)くらいなものです。

ですから、そんな中でソフィー(18歳)というのは少女キャラの中では1番年上なのです。(『風立ちぬ』の菜穂子は青年期に入っていますので、ここでは除きます。)

さて、そんな宮崎アニメの年上キャラのソフィーですが、18歳から更に年齢がメチャクチャ上がってしまうからビックリです。

荒地の魔女に呪いをかけられ90歳になってしまうからです。

こんなインパクトのある主人公は宮崎アニメではソフィーくらいだと思います。

さて、だいぶ前置きが長くなりました。

この記事では冒頭でいきなり90歳の老婆にさせられたソフィーと、彼女に呪いをかけた荒地の魔女について書いていきたいと思います。

ソフィーの性格

さて、まずはソフィーの性格を見ていきましょう。

宮崎アニメの主人公たちは、殆どが活発で行動力があり明るい性格のキャラが多いです。

ですが、ソフィーは彼女たちと比べると後ろ向きで暗くで、そして引っ込み思案な性格だと言われています。

ストーリーの後半に向けてソフィーは前向きで活発になっていきますが、確かに最初の頃のソフィーは引っ込み思案なふうに見えますね。

帽子屋で針を通しているソフィーの様子は表情は暗くうつむいた感じでどこか覚めた感じです。

ソフィーは兵士2人にナンパされますが、振り切ることが出来ないでいました。

押しに弱い感じです。

ソフィーのこういった所は『千と千尋の神隠し』の千尋と近いなと思いました。

実は気が強い

さて、引っ込み思案で後ろ向き、そして押しに弱いソフィーですが、実はかなり気が強いです。

引っ込み思案だけど気は強い、、一見矛盾している感じですが、ソフィーは自分が侮辱された時はかなり攻撃的になるのです。

ソフィーが初めて荒地の魔女と対面した時のセリフからそれが分かります。

ソフィー
「あの、お店はおしまいなんです。すみません、鍵をかけたつもりだったんですが、、」

荒地の魔女
「安っぽい店、安っぽい帽子。あなたも十分、安っぽいわねえ。」

ソフィー
「ここはしがない下町の帽子屋です!どうぞ、お引き取り下さい!」

荒地の魔女
「荒地の魔女に張り合おうなんて、いい度胸ね。」

出典元:宮崎駿監督「ハウルの動く城」スタジオジブリより

ソフィーは荒地の魔女の「安っぽい」発言に対し、かなり強く言い返しています。

ムカ!っとしたのが伝わってきます。

荒地の魔女は見た目はそうとう不気味で怪しいです。

というか、完全に不審者です。

不審者がいきなり入ってきて、「安っぽい」なんてどうどうと言ってきているのです。

普通だったら気味悪がる事でしょう。

しかし、引っ込み思案で後ろ向きなソフィーは見た目が超怪しい不審者の荒地の魔女に対して、店や自分を侮辱されたことに対して、ムカ!っとしたのです。

そして強気に言い返したのです。

普通ならば、自分が侮辱されたとしても、目の前の不審者の不気味さを気にし、強く言い返せないと思います。

荒地の魔女が「張り合おうなんて、いい度胸」と言ったのは、自分に対しこう強く言ってくる人が少ないからでしょう。

ソフィーのこの気の強さは、老婆になってからはさらに顕著に表れていると思います。

この気の強さ、『天空の城ラピュタ』のシータと似ているように思えます

シータは性格は一見大人しそうです。

ですが実はかなり過激です。

『ラピュタ』の冒頭、シータはムスカをビンで襲っているからです。

シータは捕らえられています。  

スキを突いて逃げたかったのは分かります。

ですが、後ろから気づかれないようにムスカにそおっと近づき、確実に瓶をムスカの脳天に直撃させているシータの行動はかなりすごいと思います。

ビンは粉々に砕けていましたから、本気で振り下ろしたのです。 

当たりどころが悪ければ、ムスカはあの世行きだったでしょう。

シータはムスカをあの世行きにする覚悟でビンを振り下ろしたことは間違いないでしょう。

大人しそうなシータの持つこの過激さは、後ろ向きで引っ込み思案とされるソフィーが不審者である荒地の魔女に対し強気に出ている事と近いものを感じます。

また後述しますが、ソフィーのこの気の強さは老婆にさせられてからは顕著に表れていくこととなります。

一瞬で老婆にさせられるソフィー!でも・・・・

さて、不審者の荒地の魔女に対し強気のソフィー。

ですが、そのソフィーの抵抗は虚しく、彼女は荒地の魔女の呪いをかけられ一瞬で老婆にさせられます。

老婆になったソフィーは鏡を見て仰天!

「落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ、、」と言いながらウロウロ・オロオロしていました。

ですが、翌日にソフィーは次の日にはその現実を受け止めます。

そして呪いを解くために、たった1人で荒れ地に向かい、そしてハウルの城に忍び込んでいくわけですが、このおばあちゃんのソフィーって何だかすごく活発だと思いませんでしたか?

どこか明るくて楽しそうにしています。

カルシファーに対して意地悪なことを言ったり、城のダイヤル式のドアで遊んだりしています。

ハウルから「あなた誰?」なんて聞かれたときも、「私は掃除婦」なんて堂々と言っています。

勝手に城に入りこんだことを全然後ろめたくも思っていない様子です

そして城の掃除をしているソフィーは生き生きとしています。

明らかに性格は明るくなっています。

呪われる前のあの暗そうなソフィーからは考えられないほどの活発さです。

そして、元々持っていた持ち前の気の強さも発揮しています。

不満がある時はすぐ口に出しますし、相手に対し強くでています。

それが顕著に現れているのは、『階段シーン』でしょう。

荒地の魔女に対し、メチャクチャに言いまくっていますし、荒地の魔女の方もソフィーに言い返しています。

『階段シーン』は最高に面白いシーンでで僕は非常に気に入っています。
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ハウルの動く城のソフィーと荒地の魔女の階段シーンの衝撃的な真実!

老婆になってから生き生きとしている理由

ですが、なぜソフィーは呪いを受けて老婆になってからの方が生き生きとしているのでしょう。

普通であれば、いきなり老婆になってしまったら耐えられないでしょう。

自分の姿を鏡で見た時に、何十歳も年を取ってしまっているのです。

殆どの人は、立ち直れないくらいに落ち込むことだと思います。

下手したら気が狂ってしまってもおかしくないでしょう。

ですが、ソフィーは最初こそは大慌てしていたものの、すぐに老人である自分に馴染み、そして生き生きと楽しそうにしているのです。

僕はどうしてソフィーはこんなにも生き生きしているのか全然分からなかったのです。

色々と考えてみたけれど、理解できなかったのです。

しかし僕はライターの雨宮まみさんソフィーへの見解を読み、ソフィーがなぜ老婆になってから生き生きとしているのかを納得しました。

雨宮さんの見解はソフィーの心理状態を極めて上手く言い当てていると僕は思いました。

普通は、「老いる」ということが、女にとってはひとつの大きな呪いになり得る。「老いる」ことを脅しのように使い、女を「もっと若く、いつまでも綺麗に」と急ぎ立てるもののどんなに多いことか。
(中略)
「老いたらおしまいだ」という呪いが、女を縛り付けている。それが現状なのに、この作品の中ではそれが逆手に取られている。男の目なんか気にしない老婆になれば、女はどれだけ自由に力を発揮できるか。どれだけ自由にものが言えるか。どれだけ好きに振る舞えるか。若いのに、若いからこそ「自分は男から注目されるような娘ではない」「自分は美しくもなければ、取り立てて何の能力もない」「」このまま帽子屋で仕事して老いていくだけだ」という劣等感の呪縛に取り憑かれていたソフィーは、老いて若さを失ったことで、ようやく開き直って自分の意志で行動できる女になるのである。「老婆になっちゃってソフィーかわいそう」なんじゃなく、老婆にならないとソフィーは自分で自分にかけてしまった呪い(もちろん、それは魔法なんかではない)を解くことができなかった。

出典元:「ジブリの教科書13 ハウルの動く城」株式会社文芸春秋

いかがでしょうか?

非常にソフィーの心情を非常に上手く言い当てている文章です。

僕自身、これまで「老婆にさせられたソフィーはかわいそうだ」と思ってきました。

ですがそうではなかったのです。

ソフィーは老婆になって初めて色々な呪縛から解き放たれたという事なのです。

『若さ』というものは良いものだと一般的に考えられています。

しかし、そうではないと思う人もいるということもまた事実なのでしょう。

ソフィーのように若い故に自信をなくしていたり、若い故に悩んでしまっていたりすることもあるという事なのです。

上記の雨宮さんの他、作家の綿矢りささんの見解も非常にソフィーの心情を上手く言い表しています。

もともとソフィーは地味な自分に自身がないというか、お針子さんの職について、お飾りいっぱいの華やかな帽子を生産するいっぽうで、自分は飾りのほとんどない使い古した帽子をかぶっている。美しい妹と母に圧されて存在感を薄くしながらも、文句も言わずに生きている。
(中略)
私がソフィーに対して、苦労してきたんだなと胸が痛くなる点は、彼女が”お母さん”を飛び越えて”おばあさん”にまでならないと、安心できないのかと思わせるところだ。彼女がハウルやマルクルのためにやってあげる火事は”お母さん”の役割だ。恋の相手に見られるのが嫌なら、魔本が解けかかったとき、ちょうどお母さん世代の中年女性に変化してもいいはずだ。でも多分、ソフィーには、まだまだ現役のオンナで子どもを放ったらかしの自分のお母さんのイメージが頭にあって、”おばさん”になったくらいでは安らげないのだろう。保身のために嘘の演技までしてソフィーを騙す彼女の母親からは、愛情を感じられない。おばあさんくらいまで枯れ切らないと辛い目にあう、と臆病な深層心理がほの見える。

出典元:「ジブリの教科書13 ハウルの動く城」株式会社文芸春秋

ソフィーは美しく皆のマドンナである妹、そしてまだまだオンナ現役の派手な母親の板挟みに苦しんでいたため、「若く美しい」と言うものに嫌気が差していたという事なのです。

ソフィーは「自分は美しくなんかない」と言っていますが、これは「自分は美しくなんかありたくない!」という思いからでてきていた言葉なのでしょう。

『若さ』、『美しさ』などそんなものを振りまいている女たち、それに群がる男たちをソフィーは汚らわしいとさえ感じていたとも考えられます。

しかしそれと同時にソフィーはやはり年頃の女の子。

どうしたって、『美しさ』『華やかさ』に憧れを感じる思いもなくすことは出来ないのです。

ソフィーはずっと苦しんでしたという事です。

雨宮さんや綿矢さんが書かれている通り、ソフィーは『おばあさんになる』ことで初めて柵から開放されたのです。

これまでの宮崎アニメに登場するヒロインたちは、典型的な『若さ』『美しさ』を持つ少女達ばかりでした。(千尋だけ例外ですが。)

言ってしまえば、ソフィーの妹のレティーのようなタイプの女の子が宮崎アニメのヒロインだったのです。

そうした華やかなヒロインはとても人気があります。

ジブリヒロインランキングなどでは、だいたいキキ、サン、シータ、ナウシカあたりが上位にいることが多いです。

現実でも、若くて華やかな人はそれだけで注目の的となるでしょう。

ですが、皆が皆、キキとかシータみたいになれるわけではありません。

むしろそんな風にはなりたくないと思っている人もいると僕は思います。

注目されたくない、目立つのが嫌、、そんな風に思う人にとって、『若さ』『美しさ』なんてものは疲れるものになるのです。

特にここ最近はインターネットが発達してきています。

SNSなどを使いこなす人々が多い一方、常に自分が監視されているようで落ち着かない、と思う人々も多くいるようです。

そんな状態の中では、人は周りの目を気にするようになってきています。

人と比べて自分はどうかとか、人より劣っていて自分なんか、、

表面には出さなくても、常にそのように思うようになっているでしょう。

現代社会においては、ナウシカやシータのようなヒロインよりも、実はソフィーのようなヒロインの存在によって、癒やされたり救われたりする人もいるのではないかというのが僕の考えです。

宮崎監督はそれを見越して原作の『魔法使いと火の悪魔』を映画化したのではないでしょうか?

確かにナウシカやシータは人気があります。

ですが、その人気の裏でナウシカやシータを見ることで辛いと感じる人もいることでしょう。

そうした人々に勇気を与える存在がソフィーなのではないかと僕は思うのです。

今回はソフィーの性格について書いてきました。

『ハウルの動く城』については今後も書いていく予定です。

『ハウルの動く城』の他の記事は以下からどうぞ。
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『スタジオジブリ宮崎駿作品『ハウルの動く城』まとめ』

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