宮崎駿は可愛いフィオを守るためにラストで失恋させた!紅の豚考察

前回に続いて『紅の豚』について書いていきます。

(前回の記事は『美人ジーナとかわいいフィオ、ポルコはどちらと結婚か?紅の豚その後』です。)

出典元:楽天市場「紅の豚「にぎやかな帰還」1000ピースジグソーパズル

『紅の豚』にはヒロインがジーナとフィオの2人います。

宮崎アニメにおいてヒロインが2人も存在しているということはけっこう珍しいことだと前回の記事で書きましたね。

ジーナは落ち着いて余裕のある大人の美人な女性。

フィオは活発で元気のある可愛い女の子。

全然タイプが違いますね。

ポルコはこの2人のヒロインのうち、ジーナを選んだであろうと前回の記事で書きました。

確実にジーナを選んだという描写は描かれていませんが、それでも少なくともポルコはフィオを選ぶことは今後もないであろうと思われます。

最後のフィオの回想で彼女は、

イタリア空軍の出動が空振りに終わって、私がミラノに帰る日が来ても、

ポルコは姿を見せてくれなかった。

出典元:宮崎駿監督、「紅の豚」、スタジオジブリ、1992年

と言っていますから。

つまりフィオは失恋したわけです。

ポルコに『運命共同体』『パートナー』とまで言わしめたのにどうして??、という感じです。

ジーナよりもリードしていたように見えるのにです。

今回は、そのあたりについて考えていこうと思います。

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宮崎駿はジーナよりもフィオがお気に入り

さて、なぜフィオは失恋してしまったのか?

それについて書くには、宮崎駿さんがフィオをどうように捉えていたのかについて考える必要があると僕は思いました。

なのでそこから考えていきます。

『紅の豚』の2人のヒロイン、ジーナとフィオ。

2人は全く違うタイプです。

僕は宮崎駿監督はジーナよりもフィオの方が、より宮崎監督の理想のヒロイン像なのだと思っています。

その事については前回の記事でも、ちょこっと触れています。

なぜ僕がそのように思うのか?

理由は3つあります。

フィオはこれまでの宮崎アニメのヒロイン像を受け継いでる。

1つ目はフィオの性格です。

フィオは『明るくて活発で元気の良い』女の子です。

つまり前向きということです。

宮崎監督はあれこれ考えずとにかく行動力のある女の子が好きだからです。

そのことについて鈴木敏夫さんが解説してくれています。

近藤さんの作画で、主人公の少女・雫の性格が、宮崎さんの意図と変わってしまった。例えば雫がしゃがみ込むシーン。誰も見ていないのに、近藤さんは雫に『下着が見えないよう、スカートを手で押さえる演技』をさせた。これによって雫は『考えてから行動する自意識過剰の子』になった。だが、宮さん(宮崎さんのこと)の好みは『下着なんか気にせずにさっと座ってしまう、考える前に行動する子』。この違いが宮さんには耐えられなかった

出典元:dot 週刊朝日、「宮崎駿が「二度とやらない!」と言った手法」

これは『耳をすませば』での宮崎監督と近藤監督のやり取りについての話です。

『耳をすませば』では脚本と絵コンテを宮﨑駿さんが作り、近藤監督が作画にするという手法を取っていました。

出典元:楽天市場「108ピース ジグソーパズル 耳をすませば バロンとの出会い (18.2×25.7cm)

しかし近藤監督が雫がスカートを隠す演技をさせてしまったため、『雫は考える女の子』になったと言って、それが宮﨑駿さん的には不満だったということです。

『スカートを隠す』事が自意識過剰かどうかは置いておくとして、宮崎さんにとって理想の少女は『考える前に行動する女の子』であるということが分かります。

まさにフィオはこれに当てはまるのです。

フィオは半ば強引にポルコの飛行艇の修理を引き受けますし、飛行艇が完成した暁に、無理やりポルコに着いていきますし、空賊たちに説教するなど後先考えずに行動します。(本当は不安を抱えているのですが)

まさに『考える前に行動する女の子』と言えるでしょう。

フィオに限らず、宮崎アニメに出てくるヒロインというのはこのタイプが多いです。

ナウシカ、シータ、サツキ、メイ、キキ、みんな『考える前に行動する女の子』と言えます。

出典元:楽天市場「となりのトトロ 帰り道 ミニパズル150ピース

ジブリの前に制作していた『未来少年コナン』のラナ、『パンダコパンダ』のミミ子もそうです。

ですからフィオは宮崎監督にとっての理想の少女の表れなのです。

ジーナよりもフィオのほうが待遇が良い

さてもう1つの理由は、フィオの出演時間です。

フィオは映画の中盤くらいからの登場になっていますが、しかしその後終盤に至るまでほとんど画面上に映っています。

しかもポルコとともに過ごしています。

明らかにジーナよりも画面上に映っている時間が長いですから、見ている人にとってはジーナよりも印象フィオの印象の方が強くなると思います。

しかもジーナはずっとポルコを待ち続けているわけですが、夜の店にしかやってきません。

それに対し、フィオはずっとポルコと一緒に過ごしているわけです。

飛行艇にも乗せてもらっています。

ポルコから『運命共同体』、『パートナー』と言われています。

そして一瞬ですが、ポルコが人間に戻る姿までも見ています。

明らかにフィオのほうがジーナよりもポルコとの距離が近いわけです。

フィオはVIP待遇と言えます。

もうこれは宮崎監督はジーナよりもフィオを気に入っていたと考えて良いでしょう。

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『紅の豚』原作の『飛行艇時代』にはジーナが登場しない

さて、極めつけは3つめです。

『紅の豚』は原作漫画があります。

タイトルは『飛行艇時代』というものです。

僕はこの原作漫画を読んだことがないのですが、調べたところ原作ではジーナは登場しないようです。

当初は『紅の豚』は30分程度の短編映画にする予定でした。

しかし諸々の事情により90分以上の長編映画へと変更せざる得なくなりました。

その変更に伴ってジーナが加えられたとのこと。

ですから、メインはジーナでなくフィオだと考えて良いでしょう。

なぜフィオを失恋させたのか?

さて、このようにフィオは宮崎監督のお気に入りキャラであると分かりました。

しかし、だとしたらなぜ宮崎監督はフィオを最後に失恋させたのでしょう。

最後の最後で再びジーナが登場し、ポルコはジーナにフィオを連れて行って欲しいと言い、フィオはジーナ所有の飛行艇で連れて行かれ、それっきりポルコとは会えなくなってしまうのです。

「パートナー」って言ってくれたのになぜ??

フィオはそう思ったでしょうし、ショックを受けたことだと思います。

最後の最後でヒロインにショックを与えるのは『紅の豚』くらいではないでしょうか?

前回の記事では、僕は次のように書きました。

『未来ある若い娘には、自分のような人間と関わらずに、真っ当な道を進んでいって欲しいという優しさ故にポルコはフィオを選ばなかった。』

ポルコはフィオのために、あえてフィオを連れて行かなかった、ということですね。

ただ、僕はこのフィオへの想いはキャラクター・ポルコとしての意志というより宮崎駿監督の意志が反映されているのではないかと考えました。

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宮崎駿はフィオの純粋性を守りたかった!

宮崎アニメのヒロインたちはみな純粋です。

ナウシカ、シータ、サツキ、メイ、キキ。

みんなそれぞれ様々な経験をして成長して生きながら変化していきます。

出典元:楽天市場「1000ピース ジグソーパズル 魔女の宅急便 コリコの町が好き! (50x75cm)

でも彼女たちは変化しても純粋さはそのままです。

こういう言い方が適切かどうかは分かりませんが彼女たちは真っ当に生きていると言えるでしょう。

宮崎監督は、きっとフィオにも彼女たちみたいになって欲しいと願っていたと思います。

以下は僕の想像ですが、書いていきます。

宮崎監督は、もしかしたら当初はフィオはポルコと一緒になる結末を考えていたのかもしれません。

ですが、絵コンテを書き進める内に考えが変わったのではないかと思います。

「ポルコなんかと一緒になって、本当にフィオは幸せだろうか?」、と

(こういう言い方が良いか分かりませんが・・)ポルコは真っ当ではありません。

出典元:楽天市場「ENS-108-292 紅の豚 アドリア海のエース  108ピース

彼は賞金稼ぎをして生きています。

空賊には恨まれ、空軍にも狙われています。

ポルコは光の道を歩いてないのです。

そんなポルコとずっとフィオがいたらどうなるでしょうか。

恐らく純粋さが消えてしまうのではないかと思われます。

如何に賞金を稼ぐか、如何に空軍の目をくらませるか、・・。フィオはそんな思考をするようになるでしょう。

そしてひと目を気にしながら生きていく事になります。

それはつまり宮崎監督の望まない『考えてから行動する女の子』になってしまいます。

宮崎監督はフィオには『考える前に行動する女の子』でいて欲しいと願っているはず

すなわち純粋なままでいて欲しいと思っていた

宮崎監督は「フィオはポルコと一緒にいるべきではない!失恋させねばならない!」そう決意したのです。

フィオはポルコのパートナーになりたいと望んでいたわけですが、しかし彼女の願いを尊重することはせず、宮崎監督はフィオにその未来を与えることをしなかったのです。

だから宮崎監督はラストで、ポルコにフィオを無理やり担いでジーナの飛行艇に強引に突っ込まさせることをさせたのです。

「フィオは純粋なままでいて欲しい。ポルコのようなところへ行っちゃダメなんだよ。」

ラストシーン、僕には宮崎監督のこうしたつぶやきが聞こえてくる気がします。

フィオの失恋は宮崎監督がフィオを守りたかった故にそうしたのだと僕は感じているのです。

さて、今回はフィオの失恋について書きました。

『紅の豚』については今後も書いていきたいと思います。

宮崎アニメの他のヒロインたちについては『スタジオジブリ宮崎駿アニメ作品のヒロインまとめ』を御覧ください。

他のスタジオジブリ作品メについては以下のバナーからどうぞ。

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