魔女の宅急便キキが飛べなくなった理由はトンボへの恋と嫉妬のせい?

前回に続いて、今回も魔女の宅急便のキキについて書いていきます。

(前回の記事は『魔女の宅急便 13歳のキキの性格と成長をトンボとの会話から考察』

前回の記事では、キキの性格について書いてきました。

キキは最初の頃はトンボに対してつれない態度を取り続けてきましたが、ニシンパイの出来事でショックを受けた後、トンボに対しても素直になりますが、これはキキが精神的ショックによって成長したからだということでした。

このニシンパイによるショックを僕は第一の挫折としました。

しかし、その後、キキはさらに大いなる挫折を経験します。

それは飛べなくなってしまうという事です。

「飛べることしか自分は取り柄がない」と言うキキにとって、飛べなくなってしまうということは非常に恐ろしいことだったに違いありません。

第一の挫折とは比べ物にならないほどの強烈な挫折です。

どうしてキキは飛べなくなってしまったのか?

今回はそのことについて書いていこうと思います。

スポンサーリンク

明確な理由はない?

さて、この飛べなくなることについて宮崎監督がコメントを残していたのを何かで読んだことがあります。

それによるとキキが飛べなくなることに明確な理由はないそうです。

宮崎監督を含む)絵を描く人がある日突然、昨日まで書けていた絵が書けなくなり、どうやって書いていたのか思い出せなくなってしまう事があるとのことで、キキが飛べなくなるのはそれと一緒だ、とのことです。

確かにこのコメントはなるほどなと僕も思います。

今でも記憶していますが、僕は小学生の頃は鉄棒が得意でした。(今では出来ませんが)

放課後、鉄棒でよく遊んでいました。

僕は『ともえ』という技を練習して習得しました。

ところが、どういうわけかある日突然、習得したはずの『ともえ』が出来なくなったのです。

出来なくなったのが悔しくて、四苦八苦して色々と試しましたが、今までどうやって『ともえ』が出来ていたのか分からなくなったのです。

しばらくしてから、またある日再び『ともえ』が出来るようになっていたので、結局なんで出来なくなったのか理由は未だに分からないままですね。

でも挫折を引き起こすきっかけはある?

結局挫折というものは、ある時突然やってくるものだと言えるでしょう。

でもその挫折を引き起こす原因は少なからずあると僕は思っています。

それは精神状態のゆらぎです。

と言っても、それは単純な図式的なものではないと僕は思います。

例えば『何か嫌なことがあり、だから挫折してしまう』みたいな感じではないです。

もし『嫌なことがあって凹んで飛べなくなった』だとすると、ニシンパイでショックを受けたキキが、その後トンボの自転車を飛ばすことが出来ないはずですから。

しかし、それでも僕は精神状態のゆらぎは挫折を引き起こすほんのちょっととした『きっかけ』程度には作用するのではないかと思うのです。

なので、キキの精神状態を僕なりに考えていきたいと思います。

トンボと過ごした時間

まず、キキは第一の挫折・ニシンパイで酷くショックを受けました。(第一の挫折については『魔女の宅急便 13歳のキキの性格と成長をトンボとの会話から考察』の記事を御覧ください)

ショックで熱を出してしまうほどです。

キキはこのショックでこれまでの価値観が大きく変わります。

キキは口を聞くのも酷く嫌がっていたトンボと素直に会話出来るくらいまでになったからです。

これはものすごい心の変化です。

こうした精神状態の変化は、少なからず心にある種の圧力がかかるものでしょう。

というのも、楽しいことや嬉しいことと言ったポジティブな出来事もストレスになりうるからです。(こちらのサイトで詳しく説明されています。)

その後、キキはトンボのこぐ自転車の後ろに乗せてもらい2人で海岸に行くわけですが、キキにとっては新しい経験です。

キキは今までホウキにしか乗ったことがなかったでしょう。

生まれて初めて乗った自転車、それも男の子と一緒に乗るわけです。

ですから、キキは多大なる刺激を短時間の内に受けるわけです。

意識的、無意識的にしろキキはこのように感じたはずです。

「ホウキにまたがるだけが全てじゃないんだ。トンボみたいに一生懸命こいで行く行き方もあるんだ。大変そうだけどトンボは楽しそう。」

少なくとも、無意識レベルではホウキにまたがって飛ぶことの絶対性は揺らいでると思います。

その後、トンボのこぐ自転車は事故にあいそうになりながらも、キキの魔法の力によって何とか無事で済みます。

地面に着地した後、キキは大笑いしますが、これはこの短時間であまりにも色々な事が起こったため心がものすごく興奮状態にあったため、笑いがこみ上げて止められなくなったのだと思います。

(全然関係ないですが、キキの声優は高山みなみさんですが、この笑い声は高山さん演じる『名探偵コナン』のコナンを連想してしまうほどコナンっぽい感じで、思わずニヤっとしてしまいます)

スポンサーリンク

トンボへの恋心と嫉妬!揺らぐキキの心

さて、2人の時間を楽しんだトンボとキキでしたが、そこにトンボの仲間たちがやって来ます。

トンボは彼らのもとへかけより楽しそうに話しています。

彼らの中に、あのにニシンパイの女の子がいることにキキは気が付きます。

さて、ここへ来てキキはまたトンボに対してつれない態度をとりはじめます。

トンボ
「キキー! 一緒に行かない?飛行船の中、見せてくれるって!」

キキ
「私、いい。」

トンボ
「ねぇ、行こうよ!」

(中略)

トンボ
「行こう、みんなに紹介するから!」

キキ
「行かない さよなら。」

トンボ
「なんだよ、ねえ!なに怒ってんの?」

キキ
「怒ってなんかいないわ。私は仕事があるの ついて来ないで!」

出典元:宮崎駿監督、「魔女の宅急便」、1989年、スタジオジブリ

突然、豹変するキキ。

いったいどうしちゃったの?という感じではありますが、この時のキキの精神状態はいかなるものであったでしょう。

僕は次のように考えました。

キキはトンボと2人で話している内にトンボに恋心を抱き始めていました。

キキはずっと2人っきりで話していたいな、と考えていたことでしょう。

しかし、そこに突然クラクションを鳴らした連中がやっていたのです。

2人の時間の終焉です。

キキは、まずこう思ったでしょう。

「せっかく2人でまったりと話していたのに邪魔しないでよ!」、、と。

ですが、トンボはキキの気持ちはお構いなしに楽しそうに彼らに駆け寄ります。

キキ自身はトンボに淡いかもしれませんが恋心を持っているでしょうから、『自分の存在はトンボにとってあの車に乗っている友だちたちと大差ないんだ』、と感じ、少なからずショックは受けたことでしょう。

極めつけは、その仲間の中に例のニシンパイ女子もいらっしゃったことでしょう。

「あんな子とも仲いいなんて!!」

キキは瞬間湯沸かしの如くカッとなってしまったのです。

逆にトンボは純粋です。

彼はキキとはもちろん仲良くしたいと思っていますが、今の友達だって同じように大事にしたいと思っています。

そして、『きっとキキも彼らと仲良くなってくれるはず!』、と疑いもせず思っていたことでしょう。

キキはそのトンボの気持は重々承知していたことでしょう。

でもそれでも感情が抑えられなかったのです。

嫉妬ですね。

でも、同時にキキは寂しさも感じていたはずです。

遠くから見て、楽しそうに話す彼らの仲間に入りたい気持ちもどこかにあったはずです。

でも、あのニシンパイとは話したくないという意地もあったのでしょう。

キキは彼らと一緒になることを拒み、1人で歩いて帰ります。

キキはベッドで自らの行動の愚かさに思い悩むのです。

スポンサーリンク

挫折は精神状態のゆらぎがきっかけ!でもきっかけにすぎない

キキはこの短時間の内に、心がものすごい勢いで揺らぎます。

トンボと初めてちゃんと話し、初めて自転車に乗り、初めて車と正面衝突しそうになったり、初めて異性と2人っきりで会話し、初めて恋をし、初めて嫉妬し・・・などなど、様々な経験をします。

楽しい事、驚いた事、疑念や嫉妬、また後悔など様々な感情がキキの中で生まれていたことでしょう。

頭の中はグッチャグチャだったはずです。

そうした精神状態の混沌が『飛べなくなってしまう』という挫折の引き金になったのではないかと僕は思うのです。

もちろん、飛べなくなった原因が、このトンボとのやり取りだけとは思いません。

色々な要素が絡んでいたことでしょう。

親元を離れ新しい街にたった1人で修行しにきたキキ。

家族と離れ離れの生活に心が不安定になっていたでしょうし、新しい街の生活に慣れておらずずっと気を張って疲れてしまったとも考えられますし、或いは自分と同世代の男女が楽しそうにしているのを見て羨ましいと感じ修行中の身である自分と彼らを比較してナーバスになっていた、、などなど様々なストレスがキキには積もっていたと思います。

そうした積もりに積もったものがトンボと過ごした短い時間での出来事で様々な感情の揺れを経験したことで、ストレスのダムが決壊したのではないかと僕は捉えています。

そんな精神状態では飛ぶことにも限らず、何をやってもうまくいかないことでしょう。

最初の方で、僕は鉄棒の例を出しましたが、僕自身もあまり意識していませんでしたが、『ともえ』が出来なくなった時は原因ははっきりしていませんが、色々とストレスを受けていたように思えます。

そういうときって、がむしゃらにやってもなかなか上手いこといかないものです。

なんで出来なくなったんだろうといくら考えても分からないのです。

しかし僕は思うのです。

こうした挫折は誰しもが経験するものだと。

人間は挫折をしながら成長していくのです。

ですから、キキが飛べなくなるということは、全然心配する必要はなかったのだと思います。

キキはラストシーンでトンボを助けるために再び飛べるようになりますが、この時キキが乗ってたのはホウキではなくデッキブラシです。

キキがデッキブラシを操れたのは、挫折による成長の証だったのではないかと僕は捉えています。

もし挫折を経験していなかったら、キキはデッキブラシでは飛べなかったかもしれません。

だから僕はキキの成長は意味があったんだと思います。

今回はキキの挫折について書きました。

魔女の宅急便の記事はまだまだ続いていきます。

キキ以外の宮崎アニメの他のヒロインたちについては『スタジオジブリ宮崎駿アニメ作品のヒロインまとめ』を御覧ください。

他のスタジオジブリ作品メについては以下のバナーからどうぞ。

⇓  ⇓  ⇓

%e3%82%b7%e3%82%99%e3%83%95%e3%82%99%e3%83%aa%e3%83%8f%e3%82%99%e3%83%8a%e3%83%bc

スポンサーリンク

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする