目黒と目白の関係 その名前の由来は?

JR東日本の山手線は都心をぐるっと囲むように走っています。

基本的にぐるぐる回り続けて、循環しているというわけです。

このように、ずっと回り続ける路線は結構珍しいですね。

山手線に似ているのが大阪にある大阪環状線ではないでしょうか?

大阪環状線もぐるぐる回り続けますが、回らず他の路線に乗り入れる電車もあるようです。

ちなみに山手線と大阪環状線では、山手線の方が円の面積が大きいようです。

さてそんな山手線ですが、山手線の駅には目黒駅と目白駅があります。

目黒(めぐろ)と目白(めじろ)。

この2つの名前似てると思いませんか?
どちらも目という感じの後ろに色を表す漢字が付いていますよね。

しかもなんとなく響きも似ています。

僕は幼稚園くらいの頃、目黒と目白の区別が付いていませんでした。

どちらも『めぐろ』だと思っていました。

ぱっと見の漢字が似て見えたのと、2つとも読み方が似てますから、僕は目白も目黒も『めぐろ』に思い込んでしまったわけです。

山手線に乗って車掌さんが『めじろ』と言ってても、僕には『めぐろ』と言ってるように聞こえてたわけです。

思い込みは人間の聴覚にまで作用するということだと思います。

そのうち目白と目黒が違うということに気がつく、それがいつ頃のことだったかちょっと思い出せません。

確か小学5年くらいの時には、すでに違いは分かってたと思いますが。

高田馬場のとなりが目白、五反田のとなりが目黒…みたいな感じで覚えてたと思います。

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さて、僕みたいにこの2つの駅が同じだと思い込む人はいないでしょうけども、例えば初めて山手線を使う人がこの2つの駅を見たときは、なんか似てて紛らわしいなと思うのではないかと思います。

実はこの2つの駅に付けられている名称、『目黒』と『目白』は実は関係があります。

目黒も目白もどちらも地名です。

今回は目黒と目白について書いていきたいと思います。

目黒、目白は五行思想から

さて、目黒と目白の関係ですが、実はあと3つ関係するキーワードがあります。

それは『目赤』、『目青』、『目黄』です。

この3つの名前、聞いたことありますか?

目黒、目白はよく知られていますが、目赤、目青、目黄なんてのはさすがに知らない人も多いとおもいます。

実はこれらは、すべて23区内にある不動尊の名前なのです。

目黒不動尊、目白不動尊、目赤不動尊、目黄不動尊、目青不動尊

そのうちの目黒不動尊と目白不動尊が、それぞれ目黒、目白の地名となったのでこの2つはよく知られる名前になったのでした。

さて、これらの不動尊。

『目』の後ろに『色』が付いていますよね。

黒、白、赤、黄、青。

これらの色は何を表していると思いますか?

実はこの色は古代中国の思想、五行思想のなかの五色(ごしき)から来ています。

五行思想とは世界のあらゆるものは5つの元素、木・火・土・金・水から成り立っているという思想です。

そしてそれら5つの元素を色で表しているのが五色です。

すなわち、木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒、という感じです。

目黒不動尊、目白不動尊、目赤不動尊、目黄不動尊、目青不動尊。

これらは、五色と関係しているので五色不動と呼ばれています。

それでは五色不動はどのようにして出来たのか歴史を見てみます。

時代は江戸時代、将軍徳川家光のころに遡ります。

大乗仏教の宗派の一つである天台宗の僧、天海が徳川家光に助言します。

「江戸城を囲むように5か所不動尊を選び、それらを五色不動として指定しなさい」と。

江戸城囲むように五色不動をしていすることによって、それが結界となるとのこと。

そうすることによって、江戸は天下泰平(争い事が起きず、穏やかな状態のこと)となるということでした。

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さて、徳川家光が最初に指定したのは目黒不動尊でした。

目黒不動尊に選ばれたのは、瀧泉寺です。

瀧泉寺は808年より存在する歴史あるお寺です。

この龍泉寺を目黒不動とし、江戸城と目黒不動との位置関係から他の不動尊の場所を決めていきました。

つまり、すべては目黒から始まったというわけですね。

目黒の場所が決まったから目白の場所も決まり、それ以外の目赤、目黄、目青も決まりました。

逆に言うと目黒の位置が決まらなければ、今の目白もなかったというわけです

なんというか不思議な感覚になります。

ちなみに僕は五色不動で行ったことがあるのは目黒不動尊だけですが、目黒不動尊について書いてみます。

目黒不動尊は下目黒の住宅街の真っただ中にあります。

近くに目黒不動尊の商店街などはありますが、こじんまりとしています。

住宅街の中にあるので、とても静かです。

そして落ち着きます。

住宅街の中にあるといっても、不動尊内に入れば世界が変わります。

街の中に自分がいることを忘れ、まるで別世界に自分が来たような感覚になります。

目黒不動尊の敷地内から神聖な雰囲気を醸し出しているように僕は思います。

これも五色の力なのかもしれません。

境内には小さいですが滝があります。
滝の名前は独鈷の滝(どっこのたき)といいます。

瀧泉寺の開祖の慈覚大師円仁が独鈷という仏具を投げたところ泉が湧きだし滝になったと伝えられています。

この滝、小さいながらも神秘的な雰囲気を醸し出しています。

さらにこの目黒不動尊には興味深いことがあります。

それは不動尊の境内に路線バスが入り込んでくることです。

不動尊の『前』ではなく『境内の中』です。

全国の路線バスの中でも、境内にバスが侵入してくるなんてことはかなり珍しいことかと思います。

東急バスの渋72系統 渋谷駅と五反田駅を結ぶ路線です。

目黒不動尊の境内にバス停があります。

渋谷から来たバスは裏門から不動尊の境内に入り、表門から商店街を抜け五反田に向かいます。

なんでわざわざ境内にバスが入ってくるんだという感じですが、目黒不動尊の周りは住宅街で道が狭く、境内を通らなければ、バスは五反田には行けません。

そんなわけで、東急バスは不動尊境内を突っ切っていきます。

バスファンにとって、非常に興奮することで、目黒不動尊にはバス目当てで来る方もいます。

コラムニストの泉麻人さんもバスファンでして、『大東京バス案内』という本でこのバス路線について書いていました。

僕が目黒不動尊に興味を持ったのも、実はこの本がきっかけでした。

神聖な雰囲気を醸し出している不動尊境内に入ってくるこのバスを見ると、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』に登場する電車を連想してしまいます。

神聖な雰囲気の不動尊内に入り込む(その雰囲気に不釣り合いな)路線バスと、『千と千尋の神隠し』の江戸時代的な世界の中に登場する(その世界観には不釣り合いな)電車が、個人的にリンクしてしまうのです。

『千と千尋の神隠し』はあの電車を登場させたことが、作品をより魅力的にしたのではないかと僕は思っています。

目黒不動尊ないに入る東急バスを見ると、『異世界と現実をつなぐ乗り物』だという感じがします。

こんなことを感じるのは僕だけかもしれませんが。

今回は目黒と目白の関係について書いてきました。

(途中から目黒不動尊の話になり、最後には路線バスの話になってしまいましたが。)

目黒と目白、それぞれは五行思想の五色と関係していることのことです。

五色不動の中で地名として残ったのは、目黒と目白のみです。

地名として残るということは、目黒と目白の2つが他の3つにはない、何らかの力が働いているのかもしれません。

山手線に乗った時、目黒駅や目白駅を通る時は、徳川家光が指定した五色不動のことを考えてみても面白いと思います。

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