ネコバスが人気の理由はメイとサツキが泣くあのシーンのお陰だった

『トトロ』の後半は、鬱展開のオンパレード!

そしてそれがネコバス人気の鍵の1となる・・・?

前回に続いて今回も『となりのトトロ』についての記事を書いていきたいと思います。
(前回の記事はこちら)

トトロ記事を書くきっかけになっている、トトロの森に友達と訪れた事については『となりのトトロの舞台モデル 所沢のトトロの森へのアクセス方法は?』の記事で書いていますので、よかったら御覧ください。

『となりのトトロ』で人気のキャラクターのネコバスですが、その人気ぶりのわりには劇中での登場回数はわずか2回です。

にも関わらず、なぜネコバスはこれほどまでに人気なのかについて色々と考えたところ、ネコバスの登場シーンの演出の工夫が、視聴者に大きなインパクトを与えネコバスの印象を強く植えつけたのではないかと僕は思ったのでした。

ネコバスの初登場シーンの演出については『ジブリ美術館に復活したトトロのネコバスが大人に爆発的な人気の理由』で書きました。

初登場シーンでは、ネコバスはわずか1分ほどしか画面に映っていません。

登場して、すぐさまさっそうといなくなるのですが、あえて一瞬しか登場させないことで視聴者にある種のインパクトを与えたということでした。

前回の記事『サツキがネコバスに乗りメイを探しに行くシーン!その演出の工夫は?』ではネコバス2回目の登場シーンの演出面での工夫を書きました。

2回目の登場シーンでは、一瞬で走り去ってしまったネコバス初登場シーンとは打って変わってネコバスの走りがドラマチックに描かれていました。

水田の上を走ってたり、森の中の猛スピードで駆け抜け木がよけてくれたり、鉄塔に登り送電線の上を走ったりと、かなり迫力のある演出です。

これらのドラマチックな演出が、初登場シーンの一瞬で過ぎ去るのとは対象的であり、さらに視聴者に大きなインパクトを与えたのだと僕は思ったのでした。

ところで、ネコバス2回目の登場シーンでの演出面での工夫はこれだけではなく、さらなる工夫がされていると僕は思いました。

それは次の3つになります。

1、コントラスト

2、お得感

3、意外性

今回の記事では1のコントラストについて書いていきますね。

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ネコバス2回目登場シーンとのコントラスト

ではまず『1、コントラスト』から。

このネコバスの2回目登場シーンでは、コントラストがつけられていると僕は思います。

では何とコントラストがつけられているかというと、”『となりのトトロ』の後半に差し掛かったあたりからネコバス2回目に登場する直前までの部分”、とのコントラストです。

どのようなコントラストなのか話す前に、『トトロ』後半からの展開について触れていきます。

憂鬱の始まり

『トトロ』のストーリー後半に差し掛かったあたりからの展開ですが、ここからのシーンは憂鬱が続きます。『トトロ』は初めての憂鬱です。

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それではその憂鬱な展開の様子を書いていきますね。

サツキとメイのもとに「入院中のお母さんの体調が崩れたために退院できなくなった」という知らせが来て、そのことをめぐりメイとサツキが大げんか。

メイは大声で泣き出します。

今までワクワクで楽しい展開が続いた『トトロ』でしたから、ここは見ていて辛いものがあります。

そしてその後、カンタのおばあちゃんがサツキを「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」と慰めるわけですが、サツキは「お母さんにもしものことがあったら・・・」と大声で泣き出します。

「え!サツキまで泣いちゃうの?」と僕は思いました。

それほどまでに、今まで不安を抱えていたのかと初めて気付かされてしまいます。
とてもしっかりもののサツキが泣き出すのも見ていてかなり辛くなります。

このように感じるのは僕だけではないでしょう。
そんなサツキの様子をメイは遠くから見ていましたが、なんとトウモロコシを抱えて1人で病院まで向かうべく、黙っていなくなります。

行方不明で大騒ぎに

「メイがいない!」

さっきまでいたのにどこに行ったんだろうか?と必死に探すサツキとカンタのおばあちゃん。

「もしかしたら病院に向かったのかもしれない!」
そう思ったサツキは、いても立ってもいられなくなりメイを探しに走り出します。

必死に走り続けメイを探すサツキですが、一向に見つかる気配がありません。

だんだん日が暮れています。
サツキはオート三輪を走らせているカップルを無理やり止めてメイについて尋ねるものの、男に怒鳴りつけられます。

カップルの女の方は比較的優しく話しかけてくれたものの、メイ捜索には非協力的でそのまま走り去られます。
このシーンも見ていて辛いですね・・・・。

もし「探すの手伝ってあげるよ」と言ってもらえれば、それだけでサツキは救われたかもしれません。

そんな鬱なシーンの後、さらに追い打ちをかけるような事が起こります。

神池にメイのサンダルが・・・

落ち込んでるサツキのもとに自転車を飛ばしてカンタがやって来ました。そして衝撃の事実を伝えられます。

「神池でサンダルが見つかった・・・・」

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それを聞いたサツキは大慌てで神池に向かいます。

神池では大人たちは池の中を捜索していて、カンタのおばあちゃんは池の前で必死に念仏を唱えています。

もう最悪の事態を連想してしまいます。

「メイ、まさか、まさか、、」
鬱展開が続く後半のシーンでの、鬱のクライマックスです。
サツキが神池につくと、カンタのおばあちゃんはサツキにサンダルを見せます。

その時のカンタのおばあちゃんの表情は、もう辛すぎて、かわいそすぎて直視できませんでした。
「もうダメだ・・・・。」そう思っていたのでしょう。

しかし、サツキは「メイのじゃない・・!」と言いました。

その瞬間、カンタのおばあちゃんは気が抜けて腰を抜かします。
「わたしゃ、てっきり・・・」

緊張がほぐれたのでしょう。


見ている僕も疲れがどっと出てしまいました
・・・。

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『トトロ』後半の鬱展開の容赦なさ

ここまでが、『トトロ』後半の鬱展開です。

『トトロ』は前半から中盤まで楽しくワクワクな展開が続いてきました。

のほほんとした感じで、まったり楽しさを味わえる感じです。

しかし、この後半の展開はかなり急です。

鬱シーンが次から次へと容赦なく畳み掛けてきます。

まとめると・・・・、

お母さんの具合が悪いと連絡が届く。
⇓ ⇓
サツキとメイが大げんかし、メイがギャン泣き。
⇓ ⇓
カンタのおばあちゃんに慰められるものの、サツキは溜まっていた不安が溢れだし泣き出す。
⇓ ⇓
メイが行方不明になる。
⇓ ⇓
サツキ、懸命にメイを探すものの全く見つからず、日が暮れていく。
⇓ ⇓
サツキ、オート三輪のカップルに怒鳴られ、冷たくあしらわれる。
⇓ ⇓
カンタより「神池からサンダルが見つかった」と知らせを受ける。
⇓ ⇓
神池のカンタのおばあちゃんが念仏を唱えており、最悪の事態を連想してしまう。

・・・・という感じで、鬱な展開が次から次へと押し寄せてくるのです。
鬱な展開が容赦なく続いていると思いませんか?

中盤までの、まったりほっこりでワクワクな雰囲気はいったいどこへ行ってしまったのだろうか?という感じですよ。

とにかく、後半の展開はこれまでにない程の鬱シーンの連続であるということです。

鬱とワクワクのコントラスト!

さて、この鬱展開の後、サツキは最後の賭けとして大トトロの元へ行き、ネコバス2回目登場シーンに繋がっていくわけです。

ここでようやく上述した、ネコバス2回目の登場シーンでの演出の工夫である『コントラスト』に話が繋がります。
このネコバス2回目登場シーンはそれまでの鬱展開とは真逆で、ワクワクな展開だからです。

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鬱展開とワクワク展開。

このコントラストが視聴者にネコバスの存在を印象づけるのに役立っていることでしょう。

どういうことかというと、鬱展開を直前まで見せられていたことによってネコバスのワクワク展開がより一層楽しく感じられるということです。
楽しく感じられるということは、それだけネコバスの印象が強く視聴者の心に植え付けられるということになるのです。

次回の記事では、ネコバス2回目登場シーンのワクワク展開に触れながら、コントラストについてもう少し深く考えていきたいと思います。

次の記事へ続きます。

『となりのトトロ』関連の他の記事も御覧になりたい方は以下もチェックしてみてください。
『スタジオジブリ となりのトトロのまとめ』

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